ベテラン販売員が、お客さまを主役にした接客を武器にフリーランス販売員へ
ダブルワーカー / harielさん
活動エリア:関東
15年のブランクを経てアパレルの世界へと復職したharielさん。自宅でネイルサロンをしながら家族との時間も大切にし、販売員を続けるためにMESHWELLでフリーランス販売員を始めたそう。長い販売員経験があるからこその接客論、今大切にしたい思いなどを伺いました。
QUESTIONまずは簡単な質問
- 好きな食べ物
- とにかく食べる事が大好きで、お肉だとテンションあがります。タイ料理も好きです。
- 座右の銘
- 一期一会
- 趣味
- ネイル、写真を撮ること、海外旅行
INTERVIEWタレントインタビュー
- これまでの経緯
- 振り返ってみれば、私は物心ついたときから洋服のことばかり考えている子どもでした。小学校のときには先生から「あなたは頭の中が洋服のことばかりだから、こんな点数を取るのよ!」と怒られたほど(笑)。母にも子どもには大人っぽすぎる洋服だと止められても、どうしても着たい服を着るような子でした。そして人と話すことが大好きで、アパレルの販売員になるという夢以外、考えられなかったんです。
20代前半で念願のアパレルの世界へ飛び込んだ私は、まさに日本のギャルカルチャーの黄金期を駆け抜けました。大手アパレルメーカーで新ブランドの立ち上げに携わり、渋谷109やラフォーレ原宿の店頭で、無我夢中で仕事をしていました。その後ライフスタイルの変化、家族の転勤などで、アパレルからはなれましたが、コロナ禍にアパレルメーカーに再就職しました。ブランクを埋め、素敵な仲間と楽しく仕事をしていたのですが、主人の転勤が再度決まりました。
同じころに、ストアにMESHWELLを利用してマッチングして来られているフリーランス販売員の存在が目に留まるようになりました。私と同じくらいの世代の方も多く、楽しそうに働いている姿が印象的でした。お話を聞いてみると、「harielさんの今の環境なら、MESHWELLの働き方が合うと思うよ!」とお勧めしてくれたんです。そこから1年ほどじっくり悩んでいたのですが、あるとき、私が働いていたストアがクローズすることになり、今が新しい働き方に切り替えるときだなと決断しました。そうして2025年の11月からフリーランスとしてMESHWELLでの活動をスタートしました。
- MESHWELLに挑戦してみようと思った理由
- MESHWELLは、自分のペースでスケジュールをコントロールできることが、私のライフスタイルにぴったりでした。中国で生活していた間にネイルのプロスクールに通って、日本帰国後資格を取得をしていて、その時から実現したかった自宅ネイルサロンの活動をスタートしたことや、主人が単身赴任をしている海外に年に3回ほど滞在するため、スケジュールを自由にやりくりできる必要があったんです。MESHWELLで1番魅力を感じたのはその柔軟さでしたが、同時に、自分で報酬を決めて働くというスタイルに、最初は少し驚きました。今までの勤務形態では、売上を上げても報酬が変わることはありませんでした。MESHWELLでフリーランス販売員をする今は、「私はこれだけの金額のプロとして店頭に立つんだ」と自分で覚悟を決め、お客さまに全力で接客をしています。
今までにない働き方は、想像以上にやりがいがあると感じています。もちろんその分のプレッシャーはありますが、50歳を目前にした今、やれるところまで、最後にもう1度アパレルのプロとして勝負してみたいと思わせてくれたように思います。現在はMESHWELLを通じて新しいブランドで接客をしています。行く先々で、客層もスタッフの雰囲気も違って本当に面白い!と、20代のころのようにワクワクしている自分がいます。新鮮な環境でお客さまに関われることがとても楽しく、大好きな洋服のトレンドを肌で感じながら、刺激的な毎日を送っています。
- フリーランス販売員として意識していること
- MESHWELLで新しいブランドの店舗に行くときは、今でもとても緊張します。私はいつも事前に徹底的にリサーチをして、今の売れ筋はどれか、インスタやブランドサイトを見て頭に入れて行きます。お客さまからすれば、私がフリーランス販売員かブランドスタッフかはわからないですし、いつもストアにいるスタッフの1人なので、色の展開やサイズと聞かれたときに、言葉にできるだけ詰まらないようにしたいと考えています。また、ストアの傾向に合わせて、自分の髪型やメイクをどう作っていくかもリサーチして現場に向かいますね。
店頭に着いたら、まずはその日の店舗全体の予算と、稼働しているスタッフの人数を確認します。今日の店舗予算が20万円で、スタッフが6名、単純計算で1人あたり3万〜4万円、今日はこれくらいは売上をつくりたいと頭の中で目標を設定するんです。やはりフリーランスとして店頭に立つ以上、結果を残さないといけないなと思っています。周りからは“109時代に培われた根性だね”なんて言われますが、その通りかもしれません(笑)。根が昭和の人間なので、絶対に売上を取って帰るぞというハングリーなスタイルが体に染みついています。
そして、私が売上以上に大切にしていることがあります。それは、ストアスタッフの方々に「接客に真面目に向き合っているか」、そして「目の前のお客さまをどれだけ大切にしているか」を行動で示すことです。たとえ今日、購入されなかったお客さまであっても、最後まで最高の笑顔でお見送りします。買わないからといって、急にトーンを落とすようなことは絶対にしません。「気になっている洋服、また見たくなったらいつでも気軽にいらしてくださいね」と、必ず次につながる温かい1言を添えるようにしています。購入された場合も、されなかった場合も、私にとって1番の勝負所は“最後のお見送り”です。心を込めてお礼を伝え笑顔でお見送りをします。
目先の売上1枚に一喜一憂するのではなく、その取り逃してしまったかもしれないお客さまにどれだけ誠実なブランド体験を届けられたかを大切にしたいんです。その姿をストアスタッフのみなさんは見ていると思います。あの人の接客姿勢は素晴らしいから、またストアに来てほしいと信頼してもらい、評価していただけるような存在でありたいです。そう思いながら、プロのスイッチを入れて、大好きな店頭に立ち続けています。
- 長く販売員を続けてきて、今大切にしたいと思っていること
- 私が今、店頭で絶対にやろうと心に決めていることは、お客さまのライフステージや年齢に伴う変化に、深く寄り添うことです。私くらいの年齢になってくると、どうしても体型や肌質が変わり、昔似合っていた服が急に似合わなくなる服の迷子になってしまう方が多いんです。そんなお客さまがラックの前で悩まれているとき、私はプロとしてだけでなく、同じ悩みを抱える1人の女性としてお声を掛けします。「あ、その気持ちすごくわかります! 二の腕、もう絶対に出したくないですよね」そうやってお客さまの心のガードを優しく解きながら、「ここを見せたくないなら、このラインのものが綺麗に隠してくれますよ」と、安心して着られる1着を必ず見つけてご提案するようにしています。
また最近、よくご提案するのが“大人のビビッドカラーへの挑戦”です。ご提案をすると「こういう色、綺麗だけど着たことがないのよ」とおっしゃるお客さまが多いのですが、実は年齢を重ねるほど、落ち着いたアースカラーや、くすみ系の色を着るとお顔が沈んで見えてしまうことがあります。逆に、パッと鮮やかな色のほうが、お顔映りがよく、お似合いになるのではないかと思っています。お客さまへの新しい提案をする思いで、「私も去年、思い切って赤に挑戦してみたんです! 一気に気分が上がりますよ。ぜひ一緒にチャレンジしてみませんか?」と、自分の経験も交えて背中を押しています。すると試着をしてくださり、鏡の前でお客さまが「意外と似合う!」と驚き喜ばれ笑顔になることがあります。そういうときにとてもうれしい気持ちになるんです。私がこの仕事をしていて、やりがいを感じる瞬間は、お客さまが私と一緒に、「洋服って本当に楽しい!」「私も、こんなにかわいい服が着られるんだ!」って、目をキラキラさせてファッションを楽しんでくださるときです。
- 印象に残っている接客
- MESHWELLで様々なストアに行かせていただく中で、ありがたいことに「次もあなたから買いたいからスケジュールを教えて。」と、お客さまから尋ねられることが何度もあります。私はフリーランス販売員なので「またどこかで会いましょう!」とお伝えするのですが、そう言ってくださることは、何よりの励みになっています。
最近で1番心に残っているのは、デニムブランドでの接客です。私と同世代のお母さまと、娘さまが来店されたんです。お母さまはお腹やお尻周りが気になるお悩みがあり、試着をとてもためらっていらっしゃいました。私もその気持ちがよくわかるので、自分自身が穿いていた店舗のデニムを指して、「お気持ちすごくわかります! このデニムはそこを綺麗にカバーしてくれるんですよ」とお勧めしました。けれど、お客さまはこの後予定があるからまた戻ってくると1度退店されたのです。試着していただけたらいいなと思っていたら、約束通り売場に戻ってきてくださいました。お客さまがストレートワイドのデニムを試着されると、お尻のラインがストーンと綺麗に落ちて驚くほどお似合いでした。「私でも穿けるデニムを見つけてくれて、本当にありがとう!」とご購入を決めてくださいました。
そのお客さまが再来店くださったのは、接客中、ただ洋服をお勧めしたからではなく、何気ないおしゃべりをして、心の距離が縮まっていたからだと思い返します。私は接客中、洋服の話ばかりを続けることはしません。お客さまは売り付けられそうと警戒して、1歩後ろに引いてしまうからです。この日は、会話の中で私のプライベートの話になり、ご家族との共通点が出てきたんです。そこからは、ストアスタッフから「お友達かと思った」と言われるほど、会話が盛り上がりました。
この接客スタイルは、19歳のころしたエステの電話勧誘のアルバイトの経験が活かされています。顔の見えない電話だけで契約をいただくのはとても難しいので、まずは世間話で盛り上がって仲良くなり、お客さまが完全にリラックスしたところで本題に戻すという方法でした。心理的な安全性を作ってから、買い物を楽しんでいただく。バッグが素敵なら「それどこのですか!?」と聞きますし、旅行に行くと聞けば「沖縄ですか! どの辺行くんですか?」と、ワクワクする気持ちに乗っかります。洋服の説明をするだけではなく、まずはその空間を楽しんでもらい、私を1人の人間として信頼してもらうなかで販売をしたいと思っています。
- 接客についての思い
- 自分の顧客体験やこれまでの経験を通して本当に素敵だなと感じる販売員さんは、洋服自体の機能や説明をダラダラと話すのではなく、「今のスタイリングにすごく合っています」「お客さまの雰囲気にぴったりです」と、目の前のお客さま自身を主役にして言葉を選んでいる方だと思っています。
以前、ストアで入ったばかりの20歳の若いスタッフから、「harielさんがお客さまに『すごく素敵です!』と言っているのが、わざとらしくなくてすごいです。私が言うと嘘っぽく聞こえちゃいそうで、恥ずかしくて言えないんです。どうやったらそんな風に言えるんですか?」と相談されたことがありました。私は驚いて、「恥ずかしいことなんて何もないよ! だって、心の中から本当に似合うな、素敵だなって思ったことを、そのまま真っ直ぐ伝えているだけなんだよ。思った通りに言葉にしたら、お客さまにも絶対に伝わるよ」とアドバイスしました。正直さという点では、接客中、プロである私が中途半端なトーンで「いいと思いますよ」と曖昧に答えてはいけないとも思っています。お世辞の接客トークではなく、心からの100%本音で伝えているからこそ、お客さまも安心して信じてくださるのだと思います。お似合いだけど迷っているお客さまがいたら、「お似合いになります! ぜひこれからコーディネートに取り入れていってください。このデニムに合わせてまたストアに遊びにきてくださいね!」とポジティブに言い切ってあげると、お客さまの顔がパッと明るくなって、自分の決断に納得してくださるんです。私は、そういった時間も含めて買い物を通じて元気になってもらい、お客さまに笑顔になっていただきたいと思っています。
そしてもう1つ、私が大切にしているのは、お客さまのリアルなお財布事情を尊重する接客です。自分のためだけにお金を自由に使えるお客さま、学生さんで予算が決まっている方、主婦世代のお客さまで家族のことなどでお金がかかるなかで洋服を探されている方、どんなに服を気に入っても、「今日は今すぐには買えない」という選択になる方はいらっしゃいます。それは当然のことだと考えています。買い物につながらなかったお客さまであっても、「またすぐ新しい新作も届くと思いますので、いつでも気軽に見にいらしてくださいね」とお伝えしています。お客さまの心に、「このストア、すごくよかったな」という温かい気持ちが残せていたらくうれしいです。
- 今後の展望
- 今まではアパレル販売員を50歳までやろうと考えていました。でもMESHWELLを始めて、店頭でお客さまと向き合う中で、その年齢に関わらず、できるところまで続けてみたいと思うようになりました。そしてこれから先、やってみたいなと考え始めたことが2つあります。
1つは、私と同世代、あるいはもっと上の世代のお客さまの、大人のための専属ファッションアドバイザーのような存在になることです。店頭には60代、70代、ときには80代のお客さまもご来店されます。「もう私なんて年だから…」というお客さまに「そんなことないです! 私、このお店で1番の『おばば』なんですけど(笑)、でもいくつになっても大好きな服を着ていたいから、一緒に着ちゃいましょう!」と提案します。プロとして、味方になって背中を押して、ハッピーな1歩を後押しすることがあります。洋服を楽しむ心に、年齢なんて一切関係ありません。その世代のお客さまに、「あなたがいるから安心して相談できる」と言ってもらえるような販売員になれたらよいなと思っています。
そしてもう1つは、若い販売員の手助けができるような存在になることです。20代のころ、私はベテランの接客のマスタートレーナーのもとで、新人研修のアシスタントやオープン指導に携わっていました。あのとき、新人たちが成長していく姿を見るのが本当に楽しかったですし、大きなやりがいを感じていたんです。今の若い子たちには、今の時代ならではの接客の悩みや、それぞれが抱えている売場での葛藤があると思います。一生懸命だからこそ悩んでいる姿を見ていると、私のこれまでの経験を活かして、彼女たちの心を少しでも軽くしてあげられるような手助けができたらいいなと考えています。
撮影場所:WeWork Link square