長年のアパレル正社員経験を活かして、フリーランス販売員へ
ダブルワーカー / Polkaoさん
活動エリア:関東
28年間大手アパレルメーカーに勤めていたPolkaoさん。今はご自身で作られたお菓子のケータリング業をしながら、これまでの経験と接客が好きな気持ちを活かしてMESHWELLで活動されています。接客トレーナー経験もある塩家さんに、接客で大切にしていることや、忙しいストアでの立ち振る舞い、フリーランス販売員として大切にしていることを伺いました。
QUESTIONまずは簡単な質問
- 好きな食べ物
- 韓国料理、果物
- 座右の銘
- 常に笑顔と誠実さを大切に
- 最近のマイブーム
- 愛猫姉妹(スコティッシュフォールド7ヶ月)のお世話
INTERVIEWタレントインタビュー
- これまでの経緯
- 新卒で株式会社ジュンに入社し28年勤めました。ショップスタッフから始まり、エリアマネージャー、スタッフ育成のトレーナー、さらにはVMDやPRなど、アパレルの仕事を幅広く担当していました。直前はショップの販売員として働いていたのですが、そのストアでMESHWELLのタレントを受け入れていたことがあり、MESHWELLを知りました、その時に、フリーランス販売員の働き方や動きを見たり、実際に「MESHWELLってどんな会社なの?」と聞いたりしました。「すごく良い会社ですよ」と聞いていたことも記憶に残っています。
ちょうど50歳の誕生日が目前という節目でもあって、「この先、自分に何ができるのか」を一度じっくり見つめ直そうと思い、昨年6月に会社を退職したんです。アパレルで自分がやりたいと思っていたことは、一通りやり切ったという実感がありました。自分の中でいろいろ極めたというか、ブランド内部のことも知り様々なお客様と接して、十分、悔いがないくらいやりきったと言える気持ちでした。その後は、趣味で続けてきたお菓子作りを仕事にできないかと考え、食品衛生責任者の資格を勉強して取得しました。料理家やお菓子研究家の方々のレッスンに参加して学んだり、海外旅行ではスイーツを食べ歩いたりとインプットを続けてきました。その中で「自分だったらどんなお菓子を提供できるだろう」という思いが芽生え、退職を考え始めた2年ほど前から、お菓子の仕事に取り組んでいきたいと思うようになりました。退職後は、お菓子のケータリングや販売をしながら、自分の生活リズムを整えていき、少し余裕ができたのが昨年の12月頃でした。そこで一度MESHWELLに登録してみようと思ったんです。
- フリーランス販売員として仕事をしてみて
- 登録してみると、一緒に働いたことのある前職のメンバーが「先輩にオファーしてみよう」とオファーをしてくれたこともあり、スムーズにスタートできました。これまでの経験や働き方を評価してくれたのだと思いますし、周りから応援してもらえているようでとても心強かったです。あくまで私はMESHWELLのタレントとしてオファーをいただいていて、もう社員ではないので、節度を持ちながら馴れ合いになりすぎないように気をつけています。
スタッフから「いつも素晴らしい売り上げをありがとうございます」と言っていただけることもあり、嬉しく思いますね。自分で報酬を設定している分、その期待に応える責任も強く感じます。高報酬で働いているからこそ、しっかり結果を出したいという思いがあります。決定率を上げるべく、事前にブランドや売れ筋を勉強したり、商品の特徴を把握して準備をしていますね。ストアがMESHWELLにオファーを出すということは、それだけ現場がギリギリの状況であるということも経験から分かるので、とにかくお客様への接客に集中し、満足いただいて、また呼んでいただけるよう努めています。
これまでの常に同じ場所に出勤してルーティンをこなしていた時に比べて、今、日々違うストアに行くと刺激になります。初めてのストアへいく前は緊張もするんですが、はじめの挨拶は笑顔でと意識して入店するようにしています。
- 印象にのこっている接客
- 少し前、恵比寿店でとてもおしゃれなお客様に接客した時のことです。赤いショートブーツをご試着されたのですが、私自身もそのブランドが大好きだったので、楽しくお話ししながらご案内していました。その日はお客様が白い靴下を履かれていて、試着の際にブーツの赤いインソールの色が靴下に移ってしまったんです。まさか色が落ちるとは思っていなかったので、本当に申し訳なくて謝罪したのですが、お客様は「全然大丈夫です」と気にされていませんでした。ただその日はサイズが合わず、ご購入には至らずにお帰りになりました。ところが昨日、そのお客様が新宿店にいらっしゃって、赤いブーツをお取り置きされていたんです。試着のとき、向こうも私のことを覚えていてくださり、私ももちろんすぐに思い出しました。「あの時、靴下を汚してしまった件が忘れられなくて、取り置きしてたんです」とお話しくださって、もう一度履いていただくことにしました。今回はストッキングを履いて試着していただいたところサイズもぴったりで、「これにします」と決めていただけたんです。「ありがとうございます」と笑顔で言って帰られ、その姿を見送ったとき、本当に嬉しい気持ちになりました。お客様が「また会いましたね」と声をかけてくださり、覚えていてくれたこともすごく心に残りました。最近の接客の中でも、とても印象的で嬉しい出来事です。20年以上の販売員経験の中で、今まで何百人と接客してきたと思います。お勧めしたものを購入くださって、そのどれもがクローゼットに残っているよ!と言っていただいた時には、販売員をやってきてよかったなと思います。私は、販売員の人柄が出る接客が、アパレルにかかわらず、どんな業界でも印象に残ると思っています。人となりというか、お客様に対して常に一生懸命な人は素敵だなと思います。私もお客様に対してそのような意識で向き合い続けたいです。
- 接客で大切にしていること
- 常に誠実でいる、ということが信念です。この言葉は、いろいろな意味が含まれていて、約束を守る、嘘をつかずにお客様に接客をする、挨拶をするなど、全てが大事です。お客様へのご提案で大切にしているのは、会話の中から情報を拾いながらアイテムを一緒に選んでいくことです。その方が好きな物や色、苦手なシルエットなどを丁寧に伺います。首元が詰まったデザインが好きではない方にタートルネックをお持ちしても決まりませんし、デコルテが華奢で開きの大きいデザインが苦手な方に深いクルーネックをおすすめしても、しっくりこないですよね。そうしたお客様の本質的な希望は、会話の中で質問をし、明確にしながらご要望に沿うものを見つけたいと思っています。洋服の色の提案では、お客様自身が「私はこの色しか着ない」と思っていても、周りから見ると実は違う色がより似合う、ということがあります。例えば、お肌が白いお客様で、「これまで黒しか着たことがない」という方がいたら、「黒はもちろん似合いますが、ベージュやヌーディーカラーを合わせるとよりお顔が華やいで見えるのでおすすめですよ」と新しい選択肢を提案することがあります。その色の洋服を気に入ってくださって「この色、良かった」と言っていただくなど、お客様が思っている以上の満足につながる瞬間が生まれると、私も嬉しくなります。
長くこの仕事に携わってきたぶん、臨機応変に対応する力には自信があります。その日のお客様がどんな気分なのか、新しい自分に挑戦したい日なのか、それとも以前から欲しいと思っていたものを探しに来ているのかといったお客様のその日の気分も、会話を通して感じ取るようにしています。お客様のテンションや目的に合わせて、自分の中の引き出しから最適な提案を選ぶことを心がけていますね。20年以上の販売員経験の中で、今まで何百人と接客してきました。お勧めしたものを購入くださって、そのどれもがクローゼットに残っているよ!と言っていただいた時には、販売員をやってきてよかったなと思います。
どんなお客様に対しても心がけているのは、笑顔の挨拶です。笑顔で声をかけられて嫌な気持ちになる方はいないと思いますし、そこから少しずつ距離感を見極めながらコミュニケーションを取っていくことで、良い提案や接客ができると感じています。
- フリーランス販売員として臨機応変に接客するとは
- 繁忙期や、セール、イベント期間などのとても忙しい時は、どうしても多くのお客様をご案内していく、回しの意識が強くなります。自分だけが長時間、1人のお客様に付きっきりになってしまうと他のお客様をお待たせしてしまうので、接客をしながら常に周囲の状況も見て、余白を持った動きを意識しています。ストアが混雑している状況での接客では、お客様に対して、商品の情報や着こなしの提案はいつもと同じ質を保ちながら、伝える内容を少しだけコンパクトにまとめるよう工夫しています。伝える量を雑に減らすのではなく、あくまで“お客様に有益な情報だけ伝え、無駄をそぎ落としてコンパクトにするというイメージです。ただ、じっくり相談したいお客様もいらっしゃるので、お客様のご希望を見極める力を使いながら、丁寧にお話ししつつ、周りのスタッフの動きや店全体の状況を常に確認し接客に夢中になりすぎないよう心がけています。数をこなすことを優先するのではなく、普段と同じスタンスの接客を保ちつつ、必要な部分だけ、ぎゅっとまとめる感覚で接客をしています。
インバウンドのお客様への接客も増えました。英語が流暢に話せるわけではないのですが、挨拶や簡単なビジネストークであれば対応できますし、単語だけでも意外と気持ちは伝わります。翻訳アプリを使いながらお話しすることもできますね。完璧に英語が話せなくても、一期一会の出会いですし「恥ずかしい」という気持ちよりも、商品の良さを伝えたいという思いの方が勝ります。ボディランゲージや単語を組み合わせて気持ちを伝えるようにしています。難しいと身構えるよりも、日本人のお客様と同じように自然に接することで、結果的にきちんとコミュニケーションが取れていると感じます。日本に来て買い物をされる方は、メイドインジャパンのものに魅力を感じてくださるので、日本製の洋服をおすすめすると喜んで購入してくださることも多くあります。それも含めてインバウンドの方への接客は私にとって、新鮮でとても楽しいものです。
- MESHWELLの良いところ
- はじめに報酬を自分で決められると知り、本当にすごいシステムだと思いました。私自身、これまでずっと販売員として固定給で働いてきたので、自分の価値を自分で設定できるというのはとても斬新でした。そして、販売の仕事もこういう形に変わってきているんだなと感じました。とても魅力的なポイントだと思います。
MESHWELLのサポート体制もありがたいです。困ったことがあった時にすぐに対応してくれるMESHWELLスタッフとLINEでつながっていて、心強いですね。先日も、初めて行くストアへのマッチングの日に電車が止まってしまい、3時間ほど遅刻してしまったことがありました。早く行かなければいけないのに、どうにもできなくて本当に焦っていたんです。でもスタッフの方が「焦らなくて大丈夫ですよ、気をつけて向かってください」とLINEで声をかけてくださって、その一言だけでも気持ちがスッと落ち着きました。そうやってすぐに相談ができる、繋がれる環境があることで、守ってもらえているんだなと感じられますし、登録して良かったと心から思っています。
- 今後の展望
- 私は「やっぱり服が好き、お客様とお話するのが好き」という気持ちが、とても強かったんだなと感じています。思っていた以上にその気持ちは大きくて、退職して改めてそれを再認識しました。また、お菓子の仕事を始められたこともよかったと思っています。アパレルの展示会での小さなケータリングや、焼き菓子を提供するなどお菓子の仕事を自分のペースで続けています。中でも一番嬉しかったのは、この夏、JUNが運営しているセレクトショップで、ディレクターを務めている後輩から「あなたのお菓子をケータリングで使いたい」と声をかけてもらえたことです。初めて自分のお菓子が“仕事として”提供される場になり、とても感慨深い経験でした。不定期ではありますが、先月からスコーンとジャムの通販も始め、私のことを知らないお客さまからも注文が入るようになってきたので、月に1回のペースで続けられたらと思っています。
今は、MESHWELLに登録し、洋服に関わりながらフリーランスで販売員をして、好きなお菓子の仕事も続けられるという、ちょうど良いバランスが取れている状態です。今を一生懸命生きるのに精一杯というのが正直なところですが、その中でもできればMESHWELLを通して、他のブランドからもオファーをいただけるようになれたら嬉しいですね。タレントさんたちの過去のインタビューも拝見したのですが、販売未経験でMESHWELLを始めた方もいらして、違う視点から学ぶことがとても多かったです。販売員同士の交流イベントなども、今後参加してみたいなと思っています。
撮影場所:WeWork Link square